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立ち止まり病院を見上げた
久我原が連れてきたのがすずだという確証はなかった
もしかしたら違う女の子を助けたのかもしれない
そう思い直し病院の夜間診療入り口へと歩みを進めた
入り口の灯りが曲がり角の向こう側に見えたとき、タクシーが一台横を通り過ぎた
僕が角を曲がると、ちょうど先ほど通り過ぎたタクシーから人が降りてくるところだった
その姿を見て僕は病院に入るのをためらった
なぜならそれはすずの父親に間違いなかったから
僕が今すずのそばにいって何ができるというのか………
僕は角戻り横にあった花壇に腰を下ろした
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