- 30 -  朔夜side

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立ち止まり病院を見上げた 久我原が連れてきたのがすずだという確証はなかった もしかしたら違う女の子を助けたのかもしれない そう思い直し病院の夜間診療入り口へと歩みを進めた 入り口の灯りが曲がり角の向こう側に見えたとき、タクシーが一台横を通り過ぎた 僕が角を曲がると、ちょうど先ほど通り過ぎたタクシーから人が降りてくるところだった その姿を見て僕は病院に入るのをためらった なぜならそれはすずの父親に間違いなかったから 僕が今すずのそばにいって何ができるというのか……… 僕は角戻り横にあった花壇に腰を下ろした .
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