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涼の状態が安定したのを確認して俺はそっと病院をあとにした
涼の父親の貴史さんとは昔の知り合いだった。
だから会えたのは内心とても嬉しかった
貴史さんとはもっと募る話もあった
涼の傍で目覚めるまで手を握ってやりたかった
でも涼の母親、京香さんに会うわけにはいかなかったのだ
「朝陽悪かったな……本当はすずみのそばにずっと居てやって欲しいんだが……」
「いえ、貴史さんの気持ち判りますから」
「それにしても逞しくなったな
まだ絵はやってるのかい?」
「えぇ、今は涼の高校の美術教師ですよ」
「同じ高校………運命のイタズラだな……」
そう、運命のイタズラなのかも知れない
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