1276人が本棚に入れています
本棚に追加
/797ページ
俺は花を受け取ると黒い帽子を深くかぶった
そして、きっと赤らんでいるだろう頬を隠しポケットに手をつっこんだ。
ポケットの中には数個のあめ玉
その中の一つをそっと涼に差し出した
「これ………花の蜜の味がする……食べたら笑顔になれるんだ」
涼はその黄色いあめ玉を見つめ自分の手に残る黄色い花と見比べた
そうして嬉しそうに破顔するとそのあめ玉を口の中に含んだ
「アハッ♪しあわせのあじってあまいんだね」
今でもその日の涼の表情(かお)は一つ残らず覚えている
.
最初のコメントを投稿しよう!