- 32 -

7/8

1276人が本棚に入れています
本棚に追加
/797ページ
「どう……って……… 退院した日に家の前で会っただけだよ」 私はあの日のさくちゃんの『ごめん』を思い出した あの『ごめん』は何に対してだったんだろう? 私はてっきり月乃さんと言う女性と付き合っていての『ごめん』だと思っていた だけど、彼女を残して私を捜してくれたというさくちゃんなら、その『ごめん』は全く意味の違うものになるはず いつも傍にいて私を助けてくれていたさくちゃん さくちゃんは助けた後は必ず抱きしめ 背中をトントンとしながら優しくささやく。 「大丈夫だよ」って 私が落ち着くまでさくちゃんはいつまでもそうしてくれていた。 でも、あの日私を助けたのはさくちゃんじゃなかった .
/797ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1276人が本棚に入れています
本棚に追加