1276人が本棚に入れています
本棚に追加
/797ページ
「どう……って………
退院した日に家の前で会っただけだよ」
私はあの日のさくちゃんの『ごめん』を思い出した
あの『ごめん』は何に対してだったんだろう?
私はてっきり月乃さんと言う女性と付き合っていての『ごめん』だと思っていた
だけど、彼女を残して私を捜してくれたというさくちゃんなら、その『ごめん』は全く意味の違うものになるはず
いつも傍にいて私を助けてくれていたさくちゃん
さくちゃんは助けた後は必ず抱きしめ
背中をトントンとしながら優しくささやく。
「大丈夫だよ」って
私が落ち着くまでさくちゃんはいつまでもそうしてくれていた。
でも、あの日私を助けたのはさくちゃんじゃなかった
.
最初のコメントを投稿しよう!