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新学期が始まり私は久々に校門をくぐった
「久しぶり~」
「課題終わってる?」
「わぁ~灼けたね」
なんて声が飛び交う中を歩いていく
すれ違う人たちはそれぞれ夏の思い出を楽しげに話している
「はぁ~」
私は大きく息を吐いた
「ふふっ、何大きなため息をついてんのよ」
声のするほうを見ると、ぴょこんと並木の間から現れたのは愛だった
「すずみ~、幸せが逃げちゃうぞっ」
ケラケラと楽しげに笑う愛は急に一点を見ながら私をトントンと叩き始めた
「何よ、愛」
「あ、あそこあそこ、ほらほらっ」
相変らず一点を見つめる愛の視線の先をたどった
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