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「…ありがとう」
「うん、あのさ、すず……」
そこまで言うとさくちゃんは人差し指で頬を軽く掻き視線をそらした
「……いや…あ~、久し振りに今日一緒に帰ろう」
言葉を濁した後そう言ったさくちゃんはいつもの優しい笑顔を向け
「じゃあ放課後保健室まで行くから」
と言いながら歩き出した
それは入学してから変わらないいつものさくちゃんの後姿で、その後姿を見ているとなんだかホッと安心できた
恋心とか愛情とかそんな言葉ではない何かが確かにそこにはあった
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