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歩く速度も変えず、前を向き自転車を押すさくちゃんはそのまま言葉を続けた
「僕が始めてすずに話しかけた時のこと覚えてる?」
私は首を傾げ記憶を手繰り寄せた
蘇ってくるのはどれも少し大きくなった頃の思い出ばかりで、どれもピンと来なかった
「僕の中のすずはずっと変わらないあの頃のすずなんだ。」
少し首を捻る私に気付かずさくちゃんは公園へと歩みを進めた
自転車をベンチの横へ止めると振り返りニコリと笑った
「久しぶりにあれ」
さくちゃんの指さす方向にはペンキがはげかかってきたジャングルジムがあった
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