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さくちゃんは「ほらっ!」と手を掴みジャングルジムへと駆けだした
昔もこうやって手を引かれあのジャングルジム目指してよく走ったものだった
あの頃はまだ塗りたての鮮やかな赤のジャングルジムで、今よりももっと高くそびえ立つ巨塔のように感じていた
頂上まで後少しがどうしても怖くてしがみついているとそっと手が伸びてくる。
見上げるとさくちゃんが頂上で夕日を背に手を伸ばしニッコリと笑っているのだ
『ぼくがいるから大丈夫だよ』
そう言って私の手を掴むさくちゃんの手は私に勇気をくれる魔法の手だった
今はもうそんなに高くないジャングルジム
その前で立ち尽くしていると目の前に大きな手が差し伸べられてきた
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