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「すずはこの景色が気に入っていたもんな」 横を見ると夕陽に照らされたさくちゃんが、夕焼け空のさらに向こう見ているかに見えた 「初めてすずに会ったとき、泣いていたすずを無理やりここまで連れてきたよね」 ポツリといったその言葉にハッとした。 そうだ、 あの日私は久々に公園へ出た。 同年代の子どもたちに誘われあそんでいたとき派手に転び、傷を見られて心ない言葉を浴びせられたのだ そして遊具の影で泣いていたんだ……… そんな時にっこりすてきな笑顔の少年が手をさしのべてきた。 それがさくちゃんだった。 .
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