- 34 -

9/12
前へ
/797ページ
次へ
ジャングルジムに腰掛けあの日と同じような夕陽を眺める 「久しぶりに夕陽なんて見たよ」 「うん、私も」 「引っ越してきた日にすずに偶然出逢ってから、ここからの夕陽は僕の一番のお気に入りになったんだよ」 さくちゃんは照れ臭そうに頭を掻きながらこちらをチラリと振り返った 「私も………同じだよ」 私の言葉を聞くとさくちゃんは優しげな微笑みをうかべ空を仰ぎ見ながら大きく息を吸い込んだ 「ふぅ~~ハハハ…ククククッ」 空を見上げたまま息を吐き出すと語尾に笑いが含まれていった 驚きさくちゃんをキョトンとみる私 それとは反対に笑い声がしばらく響き渡った .
/797ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1276人が本棚に入れています
本棚に追加