- 35 -  朝陽side

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触れた手をそのままに俺は大きく息を吐いた まだ俺の中に迷いがある この作品は俺の思い出そのものだから……… 俺は開いた手紙を封筒に戻し机の上へと置くと授業の準備へと取りかかった だがこの日は授業をしていても、涼といる時も何故かあの絵が頭に浮かび集中することが出来なかった 「……何やってんだ、俺は……」 「朝陽……なんかヘン」 補習授業をしていた涼が俺の呟く声を拾い上げた 振り向くと、与えた課題に取り組む手を止めたまま小さく小首を傾げ怪訝そうにこちらを見ていた .
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