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「すずちゃ~ん おっはよ~」 朝から決まって愛と一緒に現れる恵斗さんのノンビリとした優しげな声が響いた 手を挙げる私に向かって少し小走りに駆けよると手をさしのべてきた その手は私の横をすり抜けていく 「あっぶないよ~ ほらケガしちゃうとダメだから気をつけなきゃ」 振り返ると私と恵斗の腕を挟んだすぐ後ろによく見かける先輩が真っ赤な顔で恵斗さんに支えられていた 「あ…恵斗、ありがと……」 「いえいえ、どういたしまして♪ 女の子には優しくするのは当たり前だしぃ」 恵斗さんは先輩を支えてない方の手でいつの間にか持っていた彼女のカバンを差し出しニコリと微笑んだ .
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