- 36 -

14/15
前へ
/797ページ
次へ
「涼………ホントに俺のこと好きなの? 伊川とお似合いなんじゃね?!」 さっきまで優しく感じていた瞳には冷笑さえ含まれているかのようなそんな朝陽 私は心臓が破裂したんじゃないと思うほどドクンと強く鳴り響くと同時に言いようもない感情が胸の中を渦巻いた 「………」 私は俯きながらガタリと立ち上がった 手の先が痺れているような感覚と身体がフワフワとした変な感覚 机の上の課題にポタリと雫が落ち滲んだ 「………わかっ………どぅ………」 声が喉元を上手く通っていかず言葉にならない 課題の上にはさらにシミが1つ2つと増えていった 私はその場から逃げるように俯いたままカバンだけを抱えて出口へと走り出した .
/797ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1276人が本棚に入れています
本棚に追加