- 37 -  朝陽side

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「お、おい涼!」 手を伸ばしても届く距離にいなかった涼は、突然立ち上がり何かを呟いたあと勢いよく教室を飛び出していってしまった 机の上には課題と筆記用具などがそのまま広げられたままで、よく見ると課題の上には濡れた跡がくっきりと残っていた 「参ったな……」 俺は手で口元を塞ぎ唸った  あんなことを言うつもりなかった   自分の気持ちを抑えるために…     …いや、反対だ  自分の気持ちを抑え切れなかった   「ははっ…余裕ねぇな俺……」   いつものように保健室へ戻っていてくれればいいが涼のことだ、涙を見られまいと人目につかない場所へ行っているんじゃないだろうか?!と心配になる 机の上の課題を片付けそれを持ちとりあえず保健室へ行くことにした .
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