- 37 -  朝陽side

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「あさ…ひが……かぜひいちゃぅ」 力なげに微笑む涼を抱きあげ走り出した 「バカか!自分の心配でもしてろ!!」 「でも……」 「あーもぅうるせぇ!黙ってろ!」 俺は涼の家まで全速力で走った 公園からは5分程の距離なのに、とてつもなく遠く感じる 家の前までつくと涼を抱き抱えたままドアホンを勢いよく鳴らした 「あの~どちら様で?」 後ろから恐る恐る声をかける涼の母親は俺の腕の中を見てギョッとした 「すずちゃん!どうしたの!とにかく中へ」 あたふたとしながらもドアの鍵を開け招き入れた 「そちらの部屋にお願いします!」 母親はリビングの方を指差し自らは家の奥へと駆け込んだ .
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