- 37 -  朝陽side

11/11
前へ
/797ページ
次へ
俺は母親にそう返事をし階下に降りた 先ほど借りたタオルを畳むとリビングのテーブルへそっとおいた 俺はリビングの中をぐるりと見回す そこには家族の幸せな空間が広がっていた ローボードの上には様々な写真が飾ってありどれも幸せそうだ その中でも幼い涼が満面の笑みを浮かべているものに目がいく あの日「おにぃちゃん」と呼んだあの笑顔と同じだった 「………すずみ」 そっと写真に触れると俺はその場を後にした 外に出るとさっきまでの雨が嘘のように晴れ渡っていた .
/797ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1277人が本棚に入れています
本棚に追加