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部屋の中には一筋の月明かりが差し込んでいた 私はその明かりに誘われるように窓辺に立った 少しだけ開いていたカーテンを軽く捲ってみる 空にはキレイに光る月が昼間の雨がなかったかのように浮かんでいた 「………すず」 窓の向こうからかけられた声に視線を合わしたのはお隣のさくちゃん さくちゃんの心配そうなその瞳を見たと同時に思わずカーテンを閉めしゃがみ両手で耳を塞いでこんでしまった 朝陽の声が頭に響く 『伊川とお似合いなんじゃね?!』と…… .
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