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ドアをノックする音が聞こえ遠慮気味なお母さんの声が聞こえてきた 「すずちゃん……さくちゃんが様子を見に来てくれたんだけど」 「…ごめん……」 お母さんの声に私は一言返しただけ 今さくちゃんに会ってしまうとそのまま朝陽が離れていってしまうようなそんな気がしてどうしても会う気になれなかった 「……朝陽…」 私は本に挟んだしおりのキレンゲショウマを眺めた 一度階下に降りたお母さんはすぐにまたあがってきた 「すずちゃん、さくちゃんが『お大事に』だって。 ホントに良かったの?」 「うん、今日はちょっと疲れちゃったから」 「そう……、ご飯は食べれる」 お母さんの心配そうな声を聞いていると申し訳ない気持ちが湧き上がり立ち上がった .
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