- 38 -

8/9
前へ
/797ページ
次へ
お風呂から上がるとお母さんが洗濯物を畳んでくれていた 「あっ…」 私の目に飛び込んできたのは壁に掛けられたジャケット やっぱり夢じゃなかったんだと頬が緩んだ 私の反応に気づいたお母さんはアイロンをかけながら声をかけてきた 「すずちゃんを連れてきてくれた人のなの 気がついたらいなくなっていて……… すずちゃんの知り合いだったのかしら?」 「え……うん。明日返しておくよ」 ふと、夏休み入院した日のお父さんと朝陽の微かな会話が蘇った なんとなくお母さんに朝陽のことをいってはいけない気がして、それ以上何も言わずジャケットをもって自分の部屋へと上がった .
/797ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1277人が本棚に入れています
本棚に追加