- 39 -

4/12
前へ
/797ページ
次へ
校門をくぐると私はすぐに校舎へと視線を移した そこにはいつも窓辺に腰掛けコーヒーを傾ける朝陽がいる…………はずだったのに 「すず?どうしたの」 思わず立ち止まった私を心配そうにさくちゃんが振り返った 私はなにも答えずただ俯き首を振り歩き出す どうして……いないの? 私は心の中で繰り返した そしてそれと同時に朝陽の言葉が私の胸を締め付けた 『涼………ホントに俺のこと好きなの? 』 ジャケットの入った袋を胸にギュッと抱きしめた時、その手の甲にポトリと雫が零れ落ちた .
/797ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1277人が本棚に入れています
本棚に追加