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一瞬緩んだ朝陽の腕からスルリと抜け出す   シャーッ   カーテンの開く音と共に矢田先生の白衣が目に映った 「久我原先生、ちゃんと寝てました?」 「あ……矢田…先生?……」 私は両手で口を塞ぎベッドの反対側に滑り落ち息を潜めた 「ホントに久我原先生無茶するんだから……ほら、体温計」 「夕凪は?」 「あぁ、さっきお母様から連絡があって学校へ向かいましたのでって もうすぐここに来るんじゃないですか?」 「………」 「久我原先生?どうかしました?」 「いや……夕凪がここへ来た夢見たもんで」 私はドキリと心臓と共に自分の体が跳ねた気がした .
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