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手の震えを抑えながら薬を一錠朝陽の口へと差し出した
朝陽は相変わらず私を見つめたまま軽くだけ唇を開いた
その唇を見つめると保健室での出来事を思い出し身体の奥がズキュンと疼いた
朝陽にそんな私を見抜かれているんじゃないかとさらにドキドキが激しくなった
その唇の隙間に薬を指で押し込んだ
唇に指が触れ、指の先が唇に挟まる
「あっ…」
思わず手を引っ込めると朝陽はニタリと笑った
俯きカップの水を口に含み顔を寄せる
瞳をそらさない朝陽
朝陽の顔の横にそっと手をつきゆっくりと近づいていく
あと20㎝……15㎝……10㎝……5㎝……
私はそっと瞳を閉じた
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