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「さて神楽先生、校内の案内するんで行きましょう」 石原先生は月乃さんを振り返ると思い出したかのように声をかけた 月乃さんはさくちゃんに片手を挙げ指先だけ軽く振ると「またね♪」と石原先生の後をついて行った 私はその後ろ姿をただ呆然と見送った 私の頭の上に大きな手のひらがボムッと乗っかる 見上げるとさくちゃんが優しげに微笑んでいた 「月乃さんとはバイト先の先輩後輩だから すずは何も気を使わなくていいからな」 そういうさくちゃんの表情は心なしかばつの悪そうに見えた .
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