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「コラ、出てきちゃダメだろ」 さくちゃんはしゃがみ込むとその手元に黒いものを抱き上げた 「ミャ~」 「…………」 抱き上げられたらのは黒猫でこちらを小さなビー玉みたいなまん丸の瞳で見つめて鳴いた さくちゃんの腕の中で体を捩り抜け出すとピョンと私に飛びつく 私は咄嗟にその小さな身体を受け止めた 「……クロシェットもすずが好きなのか?」 さくちゃんは少し寂しげな表情(かお)をすると肩を竦めて軽く笑った .
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