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その夜ベッドに横になってもなかなか眠ることが出来なかった
さくちゃんは自分と向き合えと言ったけど、今の私には朝陽の気持ちだけじゃなく、自分の気持ちさえ全くわからなくなっていた
私の中の朝陽自身が幻だったんじゃないかと……
それでも夢の中に出てくる朝陽は陽だまりのように私を包んでくれる
そして朝になると現実ではないことに打ちのめされるのだ
カーテンを開けるとまだ朝靄のかかる風景が、その先へ行くと夢につながるんじゃないかと錯覚させる
あの朝靄の中から朝陽が笑顔で現れるんじゃないかと………
ベッドの上では昨日さくちゃんから譲り受けたクロシェットが気持ちよさげに丸まっていた
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