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リビングの片隅には大きな包みがあり、たぶんキャンバスが梱包されているのだろうと想像できた
「あーその辺適当に座れば コーヒーで良いよな」
久我原がカウンターキッチンの向こうでコーヒーカップを手にしながら言う
コーヒーを手に戻ってきたときには、どこにいたのか黒猫が久我原の足元を摺り寄りながらついてきていた
コトリとテーブルにカップを置くと足元の猫を抱き上げ自分もドカリと座り込んだ
「あの~先生はどうしてすずのお母さんと?」
しびれを切らして口火を切ったのは僕だった
久我原は膝に抱いた猫を撫でながら静かに答えた
「あぁ、落し物を届けてくださっただけだよ」
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