- 44 -  朔夜side

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そしてその数日後、本当に久我原は学校を休職してしまった 僕の手元にあの日預かった黒猫のクロシェットと、久我原のすずに対する想いを残して……… 「ズルいよなぁ……」 僕はクロシェットを見てポツリ呟いた コイツを預かることで布石を打たれた 僕が預からなくても、あそこで偶然アイツを見かけなくとも、久我原はきっとすずへの想いをどこかに置いていったに違いない なら、あえて僕であったことが良かったんじゃないか……… このまま何も知らない振りをしてやり過ごすことも出来る すずの気持ちも単なる気まぐれだったかもしれないのだから そんな女々しい考えが僕の中で渦巻いていた でもそれも久我原の計算のうちなのかもしれない……… .
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