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『至急、病院にいらしてください』
そう連絡が入ったのは夜中の2時。
隣で眠る賢二を起こさぬ様にベッドを抜け出した。
リビングに賢二への書き置きを残してタクシーに乗り込んだ。
【もしかしたら】そんな気持ちを持ちながら車内で優介さんの無事を願った。
『優介さん、目を覚まされましたよ』
病室の手前にあるナースステーションでそう言われた。
優介さんが眠る病室にはいれば、看護士や医師が優介さんの周りを取り囲んでいた。
『ほら、奥様がお見えになりましたよ』
そう言って看護士が私を向かいいれる。
重そうな瞼を少しだけ開いたままの優介さん。
「百合華・・・ごめんな」
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