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「悠紀、青菜ちゃんは明日、婚約者じゃなくなるわ」
突然、家に来た明日香。
ふんわりとした白のワンピース、綺麗に纏められた髪。
大人、になった明日香がいる。
話があると言われ部屋に通した訳だが…
「やっぱり、その話か…」
単刀直入に言われた言葉。
俺はそのまま明日香を見た。
「他の組は私を婚約者にと押している事は知っているでしょ?」
明日香は少し目を伏せたまま話を続ける。
「普通に考えて、青菜ちゃんがいくら頑張っても勝ち目がない事くらい分かるわ…」
伏せていた目をあげ、明日香は俺を見た。
「青菜ちゃんを婚約者として発表しない方がいいんじゃないかしら。今までの事はなかったことにして…。その方が青葉ちゃんにとっていいんじゃない?明日、彼女が恥を晒すことになるわ…」
「ふっ…」
真剣な明日香の言葉に俺は少し笑う。
「悠紀…?」
笑った俺を不思議そうに見る明日香。
「明日香、お前、本当は怖いんじゃないか?」
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