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プリンアラモード、やっぱり最初口にするのは、プリンでしょ。
そーっとスプーンで掬ってみる。
うわー。美味しい。
プリンって本当に口の中で蕩けるのね。
美味しいよ、このプリン。
「おまえ、相当プリン好きなんだな」
「え?なんでですか、主任!」
「お前、口に含んだ途端、一人の世界に入ってたぞ。それに、この前ケーキ屋で食ってた時よりも遥かに幸せそうな顔してる」
「主任!凄い観察力です!はい、プリン大好きです。一時期、バケツプリンを買って食べようと思ったくらいですから」
「そうなのか?」
「はい!バケツプリンは夢です!」
主任の顔を見て言ったけど、主任、退いたかも……
って思ってたのに、「そうか、そうか」って頷きだした。
「主任、どうされたんですか?」
「いや、今度一緒にバケツプリン食べないか?俺も、あれは夢だ」
てっきり、退かれたのかと思ってたけど、そうじゃなかったみたい。
「ですよね!主任!嬉しいです。バケツプリンを解ってくれる人がいて」
「じゃぁ、毎月25日、一緒にプリン食うぞ」
突然、日にちを指定してきた主任。何で25日なんだろう?
「え?なんで25日なんです?主任!」
「プリン好きなくせにお前知らないのか、25日はな、‘プリンを食べるとおもわずにっこり’っていうプリンの日なんだよ」
「えー、プリンの日ですか!それは凄い!って、もしかして主任、今日って……」
「残念、25日はもう2日前に過ぎた。来月開けとけよ。プリン、食うぞ!」
「はい!プリン一緒に食べましょう」
鬼の鬼塚と呼ばれている鬼塚主任。
本当は甘いものが大好きで、中でもプリンが好きだなんて。
休み明け、鬼塚主任の鬼の形相見て、ちょっと笑っちゃうかも知れない。
そんなことを思っていたら、鬼塚主任が言ってきた。
「会社の奴らには内緒だぞ。鬼の鬼塚の立つ瀬ないからな」
「はい!了解しました!」
照れ笑いしながら話す鬼塚主任の顔。
目の前には、甘いプリンアラモードがあって、毎月一緒にプリンが食べられる約束。
白石さんに怒られても、この主任の笑顔を思い出したら、どんなことだって乗り越えていける。
よし!明日からまた頑張るぞ!!!
fin
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