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「おろすってなに!?どういうことっ!?説明してっ!服着させてぇ!!」
「もうっ!!めんどくさいからちょっと黙っててっ!!時間がないのー!!」
なんであたしが怒られるんだろう…
裸で宙に浮いてるし
首から下は動かないし
ピリピリと電気が走るみたいな痛みがあるし
これ、怒っていいよね?
「もう、いや…うぅ…」
泣きました。
「ごめんね!あとでちゃんと説明するから!あと……もうちょっと……」
ガラシャは刀を腰に構え、鞘から抜いた
「ちょびっとだけ痛いかも♪」
「は?」
月の光に照らされた日本刀があたしの心臓付近に真っ直ぐ伸びてくる
「ちょ、待ってっ!ヤバイってっ!それはダメだってっ!!」
ガラシャは止まらない
確実に、一歩一歩、近付いてくる
30㎝
「やめてっ!!お願いっ!!」
20㎝
「ねぇ!?聞こえてるでしょ!?ちょっとぉ!!」
10㎝
「ムリムリムリー!!」
0……
刀の冷たさを一瞬感じた
「あっ」
ゆっくりと入ってくる
痛みはない
凄く温かいなにかがあたしの中に入ってくる
なんでだろう…
満たされていく…
心地良い…
刀は柄まで入っていた
「冥府に囚われし明智光秀の御霊よ…この者の肉体を現世との鎖とし…貴殿の能力を解放されよ!」
そう言うと同時に
ガラシャは刀を引き抜いた
「んあぁっ!!」
「きたっ!?」
刀は引き抜かれたものの
身体にはまだなにかが残ってる感じがする
徐々に熱くなってくる
熱い…
「……あれ?ミスったっ!?」
青白い光が強くなり
辺りが見えなくなってきた
「ごめーん!!失敗だぁ!!」
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