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「だーかーらー!その腕は本物じゃないのー!全部怨念の塊なのー!」
「はぁ……」
あたしの理解力がないのか
理解したくないだけなのか…
それとも衝撃が強過ぎて反応が遅れてるのか……
「あれ?わかってもらえた?」
「うん…………はぁぁぁ!?」
正解は3番の「反応が遅れてる」でした
「な、なんで!?だってほらっ!ちゃんと感触もあるよっ!?」
自分の腕をつねってガラシャに見せた
「ほらっ!ねっ?ほら……ほら…?」
おかしい……
どれだけ強くつねっても痛くない……
「痛くないんでしょ?」
「…うん」
「憎痕は痛覚やその他の苦痛と感じる感覚を持たないの。あと、切っても再生します。トカゲみたいに。よかったね♪」
「よかったね♪って……」
もうツッコむ気力も体力もない…
ただ、普通の女子大生に戻れないことは確かなようだ
「で?」
「ん?」
「どうしたらいいの?」
とにかく少しでも事態を好転させたい、そう思い先の話を聞いた
「どうしたら、と言いますと?」
「明智光秀を助けるんでしょ!」
「あぁ、それね♪」
さっき確かにこの人は泣いていたはずなのだけれど…見間違いなのか?
実の父親を「それ」って……
「んー……さっきは失敗しちゃったけど、ヒカリの身体を媒介にして現世に連れ戻すのが1番いいんだよねぇ……」
ガラシャはあたしをチラッと見て
「はぁ…」と溜め息をついた
「な、なによ!?」
「憎痕があるとヒカリとパパを繋ぐ鎖が脆くなるのよ……はぁ……」
「そっか……ごめん……………って全部あんたのせいでしょーがっ!!」
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