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「……えっ……なにっ……えっ!?」
あたしの聞き間違いなのか
あたしの説明が悪かったのか
お母さんがバカなのか
どんな言葉を発したらいいかわからなくなってた
「だっ、だって本能寺で死んだのは信長のはずでしょ!?」
とりあえず「お母さんがバカ」と結論づけて別の角度からアプローチしてみた
「そうだよ?」
「…………」
私の結論は間違ってなかった
やっぱりバカだ
「いや、だからぁ!この教科書には本能寺で死んだのは明智光秀って書いてあるのっ!!」
「……そうだよ?」
「…………」
お母さんが別次元の生物に見えてきた
それと同時にあたしはこの生物の子供なんだと思うとゾッとした
「ヒカリ。お母さんに言ってもわからんよ。」
普段は書庫から出てこないおじいちゃんが家の中に居ることに驚いたけど、今はそれどころじゃない
「どういう……」
「ユミさん、少し席を外してもらえないかな?」
お母さんも驚いてた
それでもおじいちゃんの言葉に従い
困ったような顔をしながら部屋を出た
「おじいちゃんっ!説明してっ!どういうことっ!?」
自分の状況がわからない
だけどこの人は何かを知っている
そんな気がして
あたしは強気に迫った
「お前は「本能寺で死んだのは信長なのにこの教科書では光秀が本能寺で死んだことになっている」と説明したのだろう…」
「そうよ?だってそうだもん…」
「お前の説明はお母さんにはこう聞こえていた筈だ「本能寺で死んだのは信長なのにこの教科書では信長が本能寺で死んだことになっている」とね」
「………は?」
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