5人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?光秀って明智光秀?」
青白い光があたしから離れて目の前をゆらゆらと漂っている
「そう…「2代目」の明智光秀だ」
「2代目?」
「……「初代」光秀は己が信長に命を狙われていることを知り、自らの能力を実の娘である私に託し、「明智光秀を名乗り、次の時代に繋げ」と言い残し亡くなったのだ…」
「娘って…それじゃあなたは…」
「細川ガラシャ……そう呼ばれていた」
漂っていた青白い光は徐々に人の形を創り出す
「あぁ、いつ以来か……人の形を成すのは…」
…………あたしは地味とはいえ、「現代」に生きる女だ
髪も染めてるし、ピアスもしてる
最近はオシャレにも挑戦して
自分では満足のいく仕上がりになっている
なのに…なのにこの女は…
「んー♪やっぱり外の空気は美味いよねー♪」
某モデル雑誌の表紙が飛び出してきた
茶髪の綺麗なロングストレート
たぶん化粧もしてる
服なんて……服なんて「スタイルに自信ありますっ♪」みたいなちょっとムカツク、ギャルファッションだ
「………なにそれ?」
なにからツッコめばいいのかわからなかったから「それ」に集約した
「えー?だって昔の服って動きづらいしダサいんだもん!」
この女はわかってたんだ
あたしは服なんて言ってないのに
自分の服装の理由を説明してる……
ツッコまれることがわかってたんだ
前髪を切ったことに気付いてほしいみたいな鬱陶しいタイプだ…
「……その服はどうやって手に入れたの?」
ツッコんだら負けだ
このタイプは放置するほうがいい
とにかく冷静に単調に疑問をぶつけた
「あー、これ?これが私の…ていうかパパの能力よ」
……「パパ」はスルーします
「能力?」
「そっ♪「想像を創造する能力」なの」
最初のコメントを投稿しよう!