謀反

9/18
前へ
/27ページ
次へ
「え?光秀って明智光秀?」 青白い光があたしから離れて目の前をゆらゆらと漂っている 「そう…「2代目」の明智光秀だ」 「2代目?」 「……「初代」光秀は己が信長に命を狙われていることを知り、自らの能力を実の娘である私に託し、「明智光秀を名乗り、次の時代に繋げ」と言い残し亡くなったのだ…」 「娘って…それじゃあなたは…」 「細川ガラシャ……そう呼ばれていた」 漂っていた青白い光は徐々に人の形を創り出す 「あぁ、いつ以来か……人の形を成すのは…」 …………あたしは地味とはいえ、「現代」に生きる女だ 髪も染めてるし、ピアスもしてる 最近はオシャレにも挑戦して 自分では満足のいく仕上がりになっている なのに…なのにこの女は… 「んー♪やっぱり外の空気は美味いよねー♪」 某モデル雑誌の表紙が飛び出してきた 茶髪の綺麗なロングストレート たぶん化粧もしてる 服なんて……服なんて「スタイルに自信ありますっ♪」みたいなちょっとムカツク、ギャルファッションだ 「………なにそれ?」 なにからツッコめばいいのかわからなかったから「それ」に集約した 「えー?だって昔の服って動きづらいしダサいんだもん!」 この女はわかってたんだ あたしは服なんて言ってないのに 自分の服装の理由を説明してる…… ツッコまれることがわかってたんだ 前髪を切ったことに気付いてほしいみたいな鬱陶しいタイプだ… 「……その服はどうやって手に入れたの?」 ツッコんだら負けだ このタイプは放置するほうがいい とにかく冷静に単調に疑問をぶつけた 「あー、これ?これが私の…ていうかパパの能力よ」 ……「パパ」はスルーします 「能力?」 「そっ♪「想像を創造する能力」なの」
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加