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Side 倉田舞
それは高校一年の9月の最終週で、月曜日のこと。
私鉄電車を降り、改札を出て少し歩いたところで、
「倉田舞さん」
突然、後ろから自分の名前を呼ばれて振り向くと、
「俺、因幡西高2年の桜木智(サトシ)っていうんだけど」
最寄駅のホームで時々見かける憧れの先輩だった。
声をかけられただけでも私にとっては天にも昇るような出来事だったのに、
「だいぶ前から……、君の事、ずっと見ていて、気になってたんだ」
その後の一言で、
「俺と、つきあってほしい」
私の精神は宇宙の果てまで飛んでいった。
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