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「…とりあえず、メアド…とか交換しない? いいよね?」
先輩は私の告白に対してはノーコメントで、
「あ…はい!」
数秒の間の後、おぼつかない口調で切り出した。
先輩がカバンの中から携帯を取り出す仕草を思わずじっと見つめてしまう。
「もしかしてスマホ?」
目がバッチリ合い、慌てて自分もカバンの中を探る。
「あ、はいっっ、そうです!」
まだ、信じられない。
「俺さ、スマホじゃないんだ。だから、ラインとかできないけど…」
昨日まで遠目で見ていた存在だった人が、今、私に告白をしてくれて、
「え!? そんなの全然気にしないで下さい!」
私の目の前の、こんなに近い位置にいて、しかも互いの電話番号とアドレスを交換してるなんて……
この人、本当に桜木先輩? 偽物じゃないよね?
誰かに、頬をつねってもらわないといけないな……
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