第13話

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でもなんだか笑ってしまう口元を隠すように顔の位置を変える。 ――どうして、こんなにこの人といると……。 「雫」 名前を呼ばれてすぐに顔を上げてしまった。 すっと伸びてきた腕と、薄暗い中近付いてきたオオカミさんの顏。 オオカミさんの手の力に合わせるように顔を傾けて、目を閉じる。 少し冷たい唇の感触に、何度も触れ合うだけのキスを繰り返す。 ――幸せな気持ちになれるのかな……。 オオカミさんの唇にわたしの熱が移っていく。 でも不意に止まる、柔らかい感触。 ――あれ?
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