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でもなんだか笑ってしまう口元を隠すように顔の位置を変える。
――どうして、こんなにこの人といると……。
「雫」
名前を呼ばれてすぐに顔を上げてしまった。
すっと伸びてきた腕と、薄暗い中近付いてきたオオカミさんの顏。
オオカミさんの手の力に合わせるように顔を傾けて、目を閉じる。
少し冷たい唇の感触に、何度も触れ合うだけのキスを繰り返す。
――幸せな気持ちになれるのかな……。
オオカミさんの唇にわたしの熱が移っていく。
でも不意に止まる、柔らかい感触。
――あれ?
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