第13話

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受付嬢にキスマークなんてつけたら怒られるよな……。 若ければ。 もう少し――赤ずきんと同じくらいの頃なら。 きっとつけてたな。 隠せばいいだろ? でも、そう思えないくらいオレは大人になってる。 それが少しもどかしい時はある。 諦めて小さな耳のラインを指でなぞる。 でも、その瞬間、パッと動いた赤ずきん。 顔をあげて口をとがらせてオレを可愛らしく睨んでる。 「つい、ね……」 「もう……」 膨れるなと意味も込めて、頭を撫でて、また耳に指をかける。
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