第13話

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*――赤ずきん――* 「南ちゃん、京都は遠いですね……」 オオカミさんが京都に行って、五日目。 まだ五日目。 もう五日目。 ズズズッとお茶をすすって、溜息を吐く。 「おばーちゃんみたいにお茶すすらないでくれる? なんか腑抜けになられるとこっちも移るからいやだわ」 あきらかに、不機嫌な南ちゃんの冷たい声。 おばーちゃん……。 確かに、ここ数日で老けたような気がする……。 だって、だって。 「オオカミさんがいないんだもん……」 「知ってるよ。毎日聞いてるから」
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