第13話

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第13話

きっと、お味噌買いに来たんだ……。 ドクンっと、何かやましいところを見られたような――へんな感覚になる。 「もしかして?」 オオカミさんの問いかけの意味が分かる。 「はい、――父です」 でも、外にいたお父さんは、すっと通り過ぎようとしている。 引き留めないと――! ガチャガチャッとシートベルトの留め金を外そうと試みるけど、なぜかいつもみたいに簡単に外れない。 「落ち着いて、大丈夫だから」 すっと伸びてきた大きな手が、手を包むように留め具を外してくれた。 「ありがとうございます」
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