第3章

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…それは、ある日突然やって来た。 「………(ナニ、コレ?)」 学校に登校して、まず1番目に目に飛び込んで来たのは…。 上履きの中にぎっしりと溢れんばかりの画鋲にドン引きしつつも、それを取って靴を履き替えた。 中学の時にも、同じ様な事は何度かあったし、流石に見慣れてはいるものの、あの量はハンパじゃない。 「お早う。俊哉クン」 「オーッス詩帆ちゃん!…ムム?浮かない顔ッスね?」 私が少し浮かない顔をしていたのを察して尋ねる俊哉に、私は鞄を机に置いた。 「うん。今日は上履きに大量の画びょうが入ってたの。あ、勿論取ったけど…」 「今日は?…って事は、まさか昨日も?」 先日の日曜日のバーベキュー以降、私をターゲットにする嫌がらせが頻繁に起こっている。 昨日の月曜に至っては、机の中に入れ忘れた文具箱のシャープペンシルから、ごっそりと芯だけが無くなっていた。 しかも、芯を入れているケースも丁寧にケースの中身だけ抜き取られていた。 「何つー嫌がらせだ!詩帆ちゃん、これはソッコー先公にチクって…」 「あ、別に良いよ。そんなに深刻な事じゃないし…」 「何を言ってンの!?コレは間違いなくイジメだ!クッソ…犯人見付け次第、タダじゃおかねぇ…」 今にもキレそうな俊哉に、私は「お、落ち着いて」と言って宥めると、私は背後からの視線を感じて振り向いた。 …が、そこには誰もいない。 「…?(気のせい…?)」 .
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