第3章

13/25
前へ
/266ページ
次へ
そう言って私を見る俊哉に、私は緊張の糸が切れてその場にへたり込んだ。 「オイオイ!大丈夫か?って、怖かったもんな?」 「ゴメンね!詩帆ちゃん本当にゴメン!」 「う、うん…大丈夫…ハッ!」 フラフラとしながら立ち上がる北条は、まだ戦意を失っておらずに此方を睨んでいた。 「ッ!北条…!」 「まだ…私は…負けて、ないッ!」 「タフだな?お前。ワリと本気で投げたのによ?」 そう言って臨戦態勢になった倒城に、私は「ま、待って!」と言って彼を引き止めた。 「何で止めんだ?コイツはお前を…」 「そうだけど…これ以上、乱暴しないで!」 私は何も考えずに北条に背を向けて両腕を広げた。 「何の…つもり?同情?」 「そうじゃないよ。アタシ、この2人に救われたの。それに…これ以上見てられないの!」 .
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加