第3章

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「お前、香奈代の悪口聞いたもんだから、連中をボコったんじゃねぇのか?」 「え…?」 俊哉が知らない事を口にするのに驚くと、倒城は「早合点だっつーの」と言って髪を掻いた。 「アイツさ、自称黒アゲハって言ってるけど、昔から怪力自慢で通ってたもんだから、俺が冗談半分でメスゴリラって言ったもんだから、伝染して仲間内でもそう呼ばれてたんだよ。勿論、俺以外がそれ言ったら、俺はソイツを香奈代より先にブッ飛ばしてたけどな。まぁ、連中も反省してるし、勘弁してやってくれ」 「…はい。東間さん」 ペコリと頭を私に向かって下げる北条は、再び「ごめんなさい」と言って貸倉庫から出て行った。 「…これで良かったのかな?」 「さぁな。けど、これでもう嫌がらせはしないだろ?」 .
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