第3章

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私と俊哉は、その日の放課後、北条の住む家に向かった。 …が。到着して唖然とした。 「ほ、ホントに此処なの?」 「た、確かに此処ッスよ?」 立派な和風の門構えに、黒塗りのベンツが横付けの状態で駐車し、その大きな日本家屋の屋敷に、私はテレビドラマのシーンでよく見たものがよぎる。 「まさか…ヤク…ザ?」 「か、帰りましょう詩帆ちゃん!てか、俺用事を思い出したッス!」 私以上に怯えて声が裏返ると、大きな門構えの脇にある小さな扉から、サングラスを掛けたいかにも屈強そうな男が現れた。 「…誰だ?人ン家の前で騒いでンのは?」 「こ…こんにちは!ほ、北条さんのお宅ですか?」 俊哉は意を決して男に尋ねると、男は舐め回す様に私達を見た。 「…白百合お嬢さんのクラスメートで?」 「えっと…し、知り合いです」 ウンウンと頷く俊哉に、男は「白百合お嬢様なら留守だ」と答えた。 「そ、そうですか!帰りましょう詩帆ちゃん!」 「そ、そうね」 私達が男に頭を下げてロボットの様に回れ右をした直後、突然男は「待ちな」と言った。 「な、何か?」 「そこのお前、詩帆っつーのか?」 男が私を指差して言うと、更に男は「どうなんだ?」と低音の声を発する。 「は、ハイ。東間詩帆ですけど?」 「そうか…なら家に入りな。そこの坊主、テメェもだ」 「お、俺も?」 .
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