第3章

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その写真には、若かりし頃の香奈代と、ぽっちゃり…いや、かなり太った女の子がツーショットで仲良さげに写っていた。 「…こ、この子は?」 「私です」 ビクリと肩を引きつかせ、写真の女の子と北条を見比べる。 「中学時代の私は、今の倍は太っていました。その為、当時はイジメの対象になっていたのですけど、ある日、私がクラスメートにイジメられていた所を香奈代お姉様に助けてもらってから、あの人に強い憧れを抱きました。そして、暴走族のリーダーと聞いてから、私はいつかあの人の右腕になりたいと決意し、トレーニングをしてダイエットをしました。喧嘩に関しては、空手とプロレスを参考に、鍛えたのですが…」 「引っ越し…だっけ?」 私が持つ写真を取る北条は、頷いてそれをアルバムに挟めた。 「でも、良いのです。私は、一方的な理由でアナタや俊哉さんを傷付けた。お姉様にどんな顔で会えばいいのですか?」 「え?もしかして、まだ香奈代さんに…?」 「えぇ…会ってませんよ」 .
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