36人が本棚に入れています
本棚に追加
/266ページ
そう言って写真を箱に入れる北条に、私は「会わないの?」と香奈代に再会しないのかを問い掛ける。
「会いたい…ですけど、その資格を今の私は…」
「会うのに資格なんて、無いよ」
私は彼女の右手を掴み、後先考えずに「会いに行こう。今すぐ」と言った。
「し、詩帆さん…?」
「此処を出よう。ね?」
私は彼女の手を引きながら立ち上がり、部屋から出て俊哉のいる応接間へと向かった。
「あ、詩帆ちゃん!それに…」
「どうも。香奈代お姉様の居場所を知ってますか?」
「姉貴の?」
.
最初のコメントを投稿しよう!