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義父から譲られた方を親指とすると、政が所有している方は小指ほどにも太さが違う。
天冠の白い星と黒い本体は同じなので、区別がつかなかった。
「西欧の、成年男子の手ならぴたりと合うんだろうけど、カナみたいに小さくて華奢な手じゃ大きすぎるんだ。クソ親父、何考えてるんだろうな」
ほら、と政は彼女の手を取り、手の平を合わせる。
たしかに。
指の関節ひとつ分くらいは大きい彼の手と、人から身体の割には小さいと言われる私の手。
彼や義父くらいの手の大きさの人なら収まりが良いのだろうけど、私には大きすぎるのね。
がっかりして加奈江はこぼす。
「残念。すごく書きやすかったから……。せっかくの頂き物なのに、それも残念」
「うーん。そんなに気に入った?」
「うん、書き味が滑らかでね、持つ時にペンをしっかり握れたの」
「うーん」
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