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秋も深くなると、大学生たる加奈江と政はいろいろと忙しくなる。何といったって最終学年なのだ、卒業論文は待ってくれない。
結婚して生活ががらりと変わったのはふたりの勝手。忙しくなったのもご同様。諸事情を理由に留年、あるいは退学という手もある。そうするとのんびりできそうだが、問題を先送りするだけで根本的解決とはならないのだから、今、がんばって学生の本分を全うした方がいいに決まってる。
今日は加奈江の論文指導で登校する日。政を急かして朝食をかき込み、ふたりは加奈江の運転で仲良く通勤と通学をし、同じ電車に乗り、途中駅でそれぞれの行き先に別れた。
必要な単位を取得した今、出席日数も足りている彼女は、卒論指導ぐらいしか学校へ出向く用がない。
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