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頬が火照って、火が出そうだ。彼女は彼の首に抱き付き、耳元で言う。
「私も、あなたの赤ちゃんが欲しい」
「今はまだだけど」
「うん」
「近いうちに必ず」
「……うん」
腕の下に巻き込まれ、彼の重さと抱き留める腕の強さをその身に受ける時、あっさりと彼女の身体は開く。全身に汗が玉を結び、吐息を隠すことができない。乳首は吸ってくれと言わんばかりに赤く尖る。
彼の指が、吐息が、唇が、彼女を煽り、堪能しつくした頃、頭上でパキリと袋を破る音がすると、加奈江はいてもたってもいられなくなる。
彼が避妊具の用意をする、彼が入って来る前触れを告げているから。
早く来て欲しい、私の中に。
「つかさぁ……」
上ずった声で、ねだるように彼の名を囁く。
わかっている、と言うように短く笑う声が応える。
加奈江の声はクスクス笑いから、深く、細く引く嬌声へと変わっていった。
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