第一章 化ケテル

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 非常にドライな女の子。それが城崎である。それは置いといて、いらないと言われたので、大人しくリゾットを口に運ぶ。続いて、大皿にあるプロシュートでモッツァレラチーズをくるんだこのハムが美味しい。名前を何て言うのだろうかと首を傾げながら、そのハムを大神はパクパクと食べる。美味しいけど、物足りない。もっと分厚いのを出してくれればいいのにと考えるが、こう考える時点で彼もまたイタリア料理は向いていない事に気付く。内心ではステーキ食べたいなと考えだす。なんて似た者カップルなのだろうか。  それから、出された食べ物を全て食べ終わった二人は、出されたエスプレッソコーヒーを楽しむ。食後の一服と言うやつだ。ただ、エスプレッソなので、正直苦い。ミルクは無いのだろうかと考えるが、無いので素直に飲む。お洒落だからと言う理由で選んだは良いけど、思ったより良いものでは無いなと言うのが、二人の結論だった。庶民向けの彼らである。  「あ、そーだそーだ。へへ、俺今日お前の誕生日プレゼント用意してんだぜ?」  そう大神が思い出したように、仕事用カバンから、小さな小箱を取り出す。それは白い小箱。指輪ケースとでも言うべきか。さながら指輪やネックレスでも入っているような、そんな滑らかな手触りある箱だった。ドンと、男らしく机に出したかと思ったら、「どーぞどーぞ」、半ば無理やり城崎に渡した。理解が追い付く前に受け取ったこの小箱。不思議に思いながら、開けてみる。  そこには、指輪が入っていた。  「……これ」  流石に驚くし、プレゼントと言って渡されたのが指輪だと、色々と考えてしまう。まさかこれは、プロポーズなのだろうか。彼女の頬は段々と赤くなっていく。  「あぁ、お前ほら、随分前に指輪が欲しいって言ってただろ? だから買ってきた! いう程たけーもんじゃねーけどな。きっと似合うぜ」  「……結婚するって事?」  「へ、結婚? なんの話だ?」
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